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アメリカ合衆国5セント硬貨は、アメリカ合衆国において使用されている硬貨。主に「ニッケル(英語:Nickel)」の通称で知られ、1アメリカドルの20分の1の価値と等しい。 5セント硬貨の表側には、1938年よりアメリカ合衆国第3代大統領を務めたトマス・ジェファーソンの肖像が描かれている。また1938年から2003年まで、硬貨の裏側には彼の邸宅であり世界遺産でもある、モンティチェロがデザインされている。2004年と2005年、硬貨はルイジアナ買収とルイス・クラーク探検隊によるアメリカ大陸探検から200周年を記念し、新しいデザインが描かれた。これらは「ウェストウォード・ジャーニー・ニッケル」シリーズと呼ばれている。また2006年には裏側にモンティチェロが再び描かれるようになったが、表側は正面を向いたジェファーソンの肖像がデザインされた。 == 略歴 == 元来、5セント硬貨は非常に小さな銀貨で、10セント硬貨が「ダイム」と呼ばれていたことから5セント硬貨は「ハーフダイム」と呼ばれていた〔http://www.coincommunity.com/us_coin_links/us_half_dimes.asp〕。しかし、南北戦争中や戦争が終結した後は、銀の不足のため代用の金属が硬貨の製造に必要となったため、今日まで銅とニッケルの合金を使用することが選択された。その極端な硬度のために20世紀中ごろには、5セント硬貨の製造において様々な問題に悩まされたが、近代の製造技術によって十分すぎる程の作業改善が図られた。ハーフダイム銀貨の詳細については、この項目では省略しているが、概ねダイム銀貨と同等なデザインが採用されていた。 第二次世界大戦中は定期的にニッケルを使用しない種類の特殊硬貨が発行されており、戦時を含め5セント硬貨は常に1グラムにつき1セント以上の価値があった。5セント硬貨の重量は、1866年に導入されたメートル法に基づいて5グラムに設計された。合衆国内では1866年7月28日の法律により、メートル法の使用を合法としている。 通称である「ニッケル」という言葉が5セント硬貨に適用されたのは、実際には硬貨がニッケルの合金を用いて製造されるより前だった。この言葉は元々、1859年から1864年にかけ銅とニッケルで構成された「インディアン・ヘッド・セント」硬貨に使用されていたものである。南北戦争の始めから終わりにかけ、この1セント硬貨は「ニッケルズ」および「ニックス」と呼称された。1865年に3セント硬貨が登場すると、街ゆく人々からこの硬貨が新しく「ニッケルズ」と呼ばれるようになった。その後1866年に登場したシールド・ニッケルにスポットライトが当てられ、以降アメリカの人々はこのニッケルの合金で製造された硬貨と、5セントという通貨単位を結びつけて考えるようになったのである。 1950年代初頭までアメリカ合衆国内のほとんどの地域において、公衆電話から低料金の近距離通話を行うのに5セントが課せられた。その後1950年代の初めを境に、公衆電話からの近距離通話料金はそれまでの2倍に当たる10セントへと値上げされた。しかし、ニューオーリンズや各地に散在していた田舎の地域等では、1970年代中頃まで5セントの料金設定のままであった。また、電話での会話を続けるため硬貨をつぎ込む人へ言う「It's your nickel」などのフレーズも生まれた。その他多くの都市で、電話料金が繰り上げとなった時期に、バスや地下鉄など各種公共交通機関の乗車料金が5セントであった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「5セント硬貨 (アメリカ合衆国)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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